AI料理写真と実写はどう違う?食品の写真・動画を比較してみた

FOOD CREATIVE JOURNAL / AIと実写

文・比較制作:株式会社無色透明/シズル感Labo | 公開日:2026.10.14

「食品の広告写真も、AIで作れば十分では?」

写真1枚からCMのような映像を作れるようになり、食品メーカーや飲食ブランドでも、撮影とAI生成の使い分けを考える場面が増えました。私たちシズル感Laboも、AIと実写の両方で食品の表現を試しています。

今回は、NOPEと月見バーガーを題材にした比較動画、そして当社サイトで公開しているパフェ写真を参照して作ったAI画像を紹介します。見比べたいのは、見た目の魅力と、その商品の特徴をどこまで保てているかです。

本記事は制作例の比較です。消費者調査や購入率を測定した広告実験ではありません。

まず、実写写真とAI画像を見比べてください

下の左側は、当社のらぽっぽファームの公開インタビュー記事に掲載している写真です。右側は、その写真を参照画像として渡し、商品・構図・光をできるだけ忠実に再現するよう指定したAI画像です。

実写|公開掲載写真実写:手に持ったおいもと抹茶のモンブランパフェ。店頭を背景に、カップ内の層やトッピングが写っている
当社公開記事の掲載写真。クリックすると拡大できます。
AI|元写真を参照して再生成比較用AI生成画像:同じパフェ写真を参照して再生成した画像。トッピングの広がりやカップ、タグの細部に違いがある
2026年10月14日生成。今回の比較用試作で、ブランドの公式広告ではありません。

AI版も、ひと目でパフェの魅力が伝わる仕上がりになりました。背景のぼけや透明なカップ、クリームの層も表現されています。AIで食品を魅力的に描けることは、この例からも分かります。

そのうえで元写真と照らし合わせると、抹茶の絞りの広がり、あんの形、カップの輪郭、タグの文字や線に違いが見られます。見栄えの評価と、商品確認での合否は、それぞれ判断が必要です。

見るところ今回の画像での観察広告制作で確認したいこと
トッピング・層抹茶の絞りが前面に広がる範囲や、あんの形、層の境界が変わっている。レシピや盛り付けの特徴を保てているか。写真から実際の重量までは判断しない。
カップ・手との関係カップの輪郭や底部、指の位置が完全には一致していない。容器の形状や商品のサイズ感が、販売品と整合しているか。
ブランドの表示小さなタグの文字や図柄の線に違いがある。正規のロゴ・商品名・パッケージと照合する。
見た目の印象AI版では、トッピングや層の細部がくっきり見える。魅力度は消費者の評価で確認する。制作者の好みだけで購買効果を決めない。

上表は編集時の画像観察です。商品の現物や寸法との照合結果ではなく、AI全般の性能を示すものでもありません。

今回のAI画像の生成条件
  • 生成日:2026年10月14日
  • 使用環境:OpenAIの内蔵画像生成ツール。実行結果にモデル識別子の表示なし。
  • 入力:上記の実写写真1枚と、商品・構図・光・トッピングを保つ指示。
  • 生成:1回、出力1枚。追加の修正やレタッチなし。
  • 意図的な欠陥や誇張は指示せず、忠実で高品質な再現を依頼。
  • 元写真を入力しているため、撮影素材なしで作る場合とは条件が異なる。
使用した指示文の全文(英語)
Use case: ads-marketing
Asset type: one AI-regenerated food photograph for a transparent, fair editorial comparison with its photographic reference.
Input image 1 is a reference photograph, not an image to paste unchanged into the result. Regenerate the entire scene as a new photorealistic image using this photograph as the visual specification.
Primary request: Recreate the same handheld matcha and sweet potato Mont Blanc parfait as accurately and appetizingly as possible, with photographic realism suitable for a professional food campaign.
Preserve the visible product specification: a clear plastic cup with the same proportions and similar fill level; irregular golden pastry pieces and dark red bean filling near the bottom; pale yellow soft-serve layers with the thin green matcha layer; delicate matcha Mont Blanc strands on top; the small mound of red bean paste, the white shiratama dumpling, the single slender long golden sweet-potato stick, and the small diamond-shaped light-green brand tag. Keep the same number of visible toppings; do not invent ingredients or change the portion size. Preserve the brand tag design and lettering as closely as possible. Preserve the hand holding the cup from below with the visible dark green nail.
Composition: landscape, approximately 4:3, same low-angle close-up, same scale and placement of the cup, same blurred Japanese storefront background, same soft daylight and depth of field.
Aim for an excellent faithful rendering, including natural material details, believable fingers, lettering, layers, reflections and textures. Do not deliberately introduce defects, excessive perfection, distortion, fake gloss or exaggerated quantities. Do not beautify by replacing the product with another dessert.
No extra text, comparison layout, labels, watermark or decorative objects. Output exactly one complete AI image.

動画では、動きと制作過程まで比較する

静止画の印象に加えて、動画ではカットの途中でも商品が同じ形を保っているか、食材や液体がどう動くかを見ることができます。シズル感Laboでは、NOPEと月見バーガーを題材に、AI映像と実写撮影を取り上げた比較動画を公開しています。

比較動画 01

NOPE|飲料のシズル表現

公開動画をYouTubeで見る

缶の形状やラベル、水滴、光の映り込みに注目してください。メイキングと完成映像を合わせて見ることで、実写側が何を準備し、どう撮影しているかを確認できます。

シズル感Laboの自主制作・比較用作品として紹介。

比較動画 02

月見バーガー|食材を重ねる表現

公開動画をYouTubeで見る

公開動画の説明では、AI側は月見バーガーの写真1枚から制作したと紹介しています。バンズ・卵・ソースなどの見え方と、実写の準備工程・完成映像を見比べてください。

シズル感LaboのCM風比較企画として紹介。メーカーからの受注実績を示すものではありません。

この2本は、それぞれの制作表現を見せる動画です。制作条件や構成をそろえた広告効果テストではないため、再生数やコメントから「実写の方が売れる」と判断することはできません。

私たちが実写の制作過程まで見せたいのは、光の当て方や盛り付け、撮るタイミングを通じて、商品をどう見せようとしたかを伝えるためです。完成した画だけでは見えにくい仕事を、発注前に確認していただけます。

AIと実写で、購買率はどれくらい変わる?

ここは、見た目の比較とは切り分ける必要があります。今回紹介する制作例では、購入率は測定していません。また、確認した研究からも、食品広告で「実写なら一律に購入率が何倍になる」という数字は示せません。

ビデオリサーチの国内2,593人を対象とした調査では、実際の制作方法にかかわらず、画像をAIだと認識した人は購入・利用意向が低い傾向にありました。ただし、測っているのは回答者の意向で、実際の購入率ではありません。認識別の比較から、AI使用だけが原因だとも断定できません。[1]

一方、食品画像を扱った2024年の研究では、制作方法を知らせない条件で、AI画像の方が魅力的と評価される結果も報告されています。こちらも、視覚的な魅力の評価です。[2]

実配信広告を分析したワーキングペーパーでは、購入目的の広告を対象とした追加分析で、AI画像による購入CVRの統計的な有意差は確認されませんでした。ただし食品限定ではなく、LPなどの影響を十分に切り分けられていないという限界があります。[3]

「おいしそう」「買いたい」「購入した」は、それぞれ違う指標です。

売上への影響を知るには、同じ商品・価格・コピー・LPで画像をランダムに出し分け、実際の購入を計測する必要があります。期間や必要な件数を事前に決め、結果のばらつきも含めて評価します。

食品広告で、AIと実写をどう使い分けるか

まず決めたいのは、「何を変えてはいけないか」です。商品の具材・量・容器・ブランド表示など、守る条件を整理すると、必要な素材と確認工程が見えてきます。

  • 商品そのものを伝える場面:メニュー、ECの商品紹介、新商品の告知などは、販売品と照合できる素材を基準に制作する。
  • 企画を検討する場面:背景や世界観、構図の候補を考える段階で、AIの案出しを活用する。
  • 実写とAIを組み合わせる場面:商品は実写で保持し、背景などを生成する方法を検討する。合成後も商品の見え方を確認する。

AIでも実写でも、実際より著しく優良だと誤認させる表示は問題になります。撮影した写真であっても、過度な加工や説明との食い違いがあれば確認が必要です。[4]

シズル感Laboでは、商品の魅力をどこに感じてほしいか、何を正確に見せる必要があるかを整理し、写真・動画の企画に落とし込みます。今回の比較が、制作方法を選ぶ材料になれば幸いです。

この商品の、何をどう見せるか。

食品・飲料の写真撮影、縦型動画、SNSでの活用まで。商品と使用目的に合わせて、必要な表現と制作範囲をご提案します。

商品・用途を伝えて相談する

食品写真撮影の内容・料金 / 食品動画制作の内容・料金

参考資料

  1. ビデオリサーチ「AI画像広告は生活者に受け入れられるのか?」(2026年4月3日)
  2. Califano & Spence, Assessing the visual appeal of real/AI-generated food images(2024年、Food Quality and Preference)
  3. Exnerほか, AI in disguise — How AI-generated ads’ visual cues shape consumer perception and performance(ワーキングペーパー。リンク先PDF表紙の日付:2025年1月14日)
  4. 消費者庁「優良誤認とは」
比較用AI画像は当社による試作であり、掲載ブランドによるAI採用・監修や広告効果を示すものではありません。
無色透明 編集部

執筆

無色透明 編集部

「川のように流れを作る」のコンセプトのもと、「色づける」「届ける」「循環させる」という3つのステップで企業の本質的価値を高め、最適な形で表現するお手伝いをしています。

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